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LODとは?

BIMにおいて、LOD(Level of Detail)は、

建築物や構造物のモデルの精度や詳細度を表す重要な指標の1つです。

LODは、モデルがどの程度正確で、どの程度詳細な情報を含んでいるかを示します。

BIMの進捗や所掌を示す上で非常に重要な概念になってきます。

今回はLODについて触れていきたいと思います。

LODの定義

アメリカにおいては、LOD(Level of Development)と呼ばれることが多く、

LODは、以下のように5段階で定義されています。

LOD 100:概略設計段階

  • 概略的な形状やサイズ、位置などが決まっている状態でのモデル

LOD 200:基本設計段階

  • 形状、サイズ、位置の決定がほぼ終了した状態で、概略的な仕様書に基づいて情報が追加されたモデル

LOD 300:詳細設計段階

  • 実際の仕様書に基づいて、詳細な情報が追加されたモデル

LOD 400:施工段階

  • 施工に必要な情報が含まれたモデル

LOD 500:運用段階

  • 完成後の維持管理や修繕に必要な情報が含まれたモデル

これらの定義によって、BIMによる建築プロジェクトの進捗状況や、モデルの精度や詳細度を明確にすることができます。

詳細のBIM要素毎のLOD定義はBIMフォーラムによって定義されています。

BIMフォーラムの以下LOD Specificationという図書には、

https://bimforum.org/resource/lod_level-of-development-lodspecification-2022-supplement/

アメリカの建設分離体系であるUniFormat・OmniClass毎にLODが定義されています。

各国で異なるLOD

何気なく使っているLODですが

各国や地域によって、LODの定義や分類は異なることが多いです。

以下サイトに良くまとめられているので、見てみてください。

https://www.bimthinkspace.com/2016/07/the-many-faces-of-lod.html

LODの概念は、最初にアメリカの建築関連団体であるAIA(American Institute of Architects)が2005年に発表した「Building Information Modeling Protocol Exhibit」において、建築物モデルの精度を示す指標として導入されました。

その後、2008年には、Vico Software社が発表した「LOD Specification」により、LODが5段階に分けられ、それぞれがどのようなモデルの精度を表すかが明確にされました。

しかし、その後も各国で派生して行って各国でバラバラな定義となってしまっています

例えば、イギリスではLODは以下のように定義されています。

イギリスではLODは以下のように定義されています。

  • Level of Definition 0 (LoD 0):
    図面やモデル化された幾何学的な情報が存在しない状態
  • Level of Definition 1 (LoD 1):
    幾何学的な形状が存在し、位置や方向も決定されているが、詳細な情報は存在しない状態
  • Level of Definition 2 (LoD 2):
    幾何学的な形状に加えて、サイズや形状などの詳細な情報が含まれる状態
  • Level of Definition 3 (LoD 3):
    物理的な特性や機能、材質などのより高度な詳細情報が含まれる状態
  • Level of Definition 4 (LoD 4):
    物理的な条件や材料の性質、性能、動作条件などの最高レベルの詳細情報が含まれる状態

これらの定義は、イギリスの建設業界において一般的に使用されています。ただし、LODの定義は国や地域によって異なる場合があるため、注意が必要です。

また、ドイツやオーストリアではLODに加えてLevel of Information(LOI)という概念が導入されており、LODがモデルの詳細度を表すのに対して、LOIはモデルに含まれる情報の質と信頼性を表す指標として使われています。

LODの具体的な使用の仕方

LODの具体的な使用方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. プロジェクト管理:
    LODを使って、プロジェクトの進捗状況や完了度を管理します。進捗状況に応じて、モデルに必要な情報を追加していくことができます。
  1. コラボレーション:
    LODを共有することで、各関係者がどの程度の情報を持っているかを明確にすることができます。また、異なる関係者が作成したモデルを統合する際にも、LODを統一することで、情報の不一致を避けることができます。
  1. コスト管理:
    LODによって、モデルに含まれる情報の詳細度を明確にすることができます。詳細度が高いほど、建設や維持管理に必要なコストが増えることが予測できるため、コスト管理に役立ちます。
  1. 設計の精度向上:
    LODを使って、モデルに必要な情報を段階的に追加していくことで、設計の精度を向上させることができます。詳細度が高いモデルであればあるほど、建設や維持管理の課題を事前に把握することができるため、設計の改善や効率化につながります。

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実際のプロジェクトではどのレベルまでBIMモデルを作って欲しいか伝える際にLODをよく使うよ。例えば「5月7日までにLOD300まで窓をモデルしておいてね。」みたいな感じ。

まとめ

LODは、設計段階で使用される幾何学的なモデルの詳細度や、建築部品の材料やサイズなどの属性情報など、BIMモデル内の要素がどの程度詳細に作られているかを示します。

これにより、建築物全体や部分的なデザインの進捗状況を正確に把握することができます。また、施工現場での進行管理や施工計画、材料調達、維持管理などのフェーズでの情報提供にも役立ちます。

BIMにおいてLODを適切に定義することで、建築物の設計や施工、運用管理において必要な情報を正確かつ適切に提供することができます。これにより、建築物の品質向上、効率的なプロジェクト管理、コスト削減などの利点が得られるとされています。

3つのポイント

・ LODはモデルを指標を示す概念

・ 各国で独自のLODが作られる傾向が強い

・ LODを用い所掌やモデルの進捗を測ったりする為、円滑なBIM 遂行では必須な概念

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