今回はBIMそのものについて触れていこうと思います。
各国でBIMの義務化が進められていますが、ついに日本国内でもBIMの義務化が発表されました!!
日本を応援する意味を込め、いくつかBIM関連の記事を書いていきたいと思います
溢れるBIMのイメージ
みなさん、BIM(Building Information Modeling)と言われて何をイメージしますか??
「モデル」
「属性が含んだモデル」
「ツール」
「プロセス」
などなど、色々なものがイメージされるかと。
世界中で認知度が高まりましたが、まだまだ日が浅い概念であることもあり各国・組織で定義がバラバラな状態。
以下が各組織でのBIMの定義の一例です
国交省 | コンピュータ上に作成した主に三次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の 属性情報を併せ持つ建築物情報モデルを構築するものをいう 建築BIM推進会議-国土交通省 |
イギリス:NBS | 建物やインフラストラクチャーの設計、建設、管理、保守を支援するために、デジタル技術を使用して、情報を生成、共有、管理する方法 NBS |
アメリカ:NIBS | デジタルモデルベースのプロセスで、物理的なおよび機能的な特性を持つ建築物や施設の設計、建設、運用、メンテナンスに関する情報を統合することにより、プロジェクトライフサイクル全体を通じてプロジェクトチームの意思決定を支援する方法 |
シンガポール:建設業界評議会 | デジタル技術を使用して、建築物やインフラストラクチャーの設計・施工・維持・管理に関する情報を共有・統合し、建築プロセス全体を最適化する方法 |
ソフトウェアベンダー:Bentley | A process for project delivery (プロジェクト遂行の為のプロセス) Information management (情報管理) Leveraging technology – integrated solutions (テクノロジーの活用ー統合ソリューション) Bntley |
近年、ISO19650が発行されたことの影響もあり
BIMは「プロセス」として定義されるケースが多いです。
MiChi
BIMの導入のし始めはRevitやArchiCADがBIMと思っていたけど、ここ最近はクラウド環境を使った遂行プロセスとして扱われることが多いよ。
BIMの成熟度とは??
BIMを語る上で外せないのがBIMの成熟度。
BIMの成熟度を客観的に評価し、進捗度を把握するもので、成熟度を4つのレベルに分類するものになります
BIMで良く活用されるLODとは別の概念になるので注意!
- 初歩的なBIM活用 (Level 0):
BIMを使用しない、従来のCAD図面などの2D表現による設計・施工の段階。 - 単純なBIM活用 (Level 1) :
3Dモデルを活用する設計・施工の段階。建物の形状や構造のみを表現。 - 中程度のBIM活用 (Level 2):
設計・施工・管理の各段階での情報共有や協業が進んでいる段階。2D・3Dの情報を一元化し、BIMモデルを活用する。 - 高度なBIM活用 (Level 3):
デジタル技術やIoTなど最新技術を活用した設計・施工・管理の段階。モデルの連携やデータの共有が自動化され、リアルタイムで情報が共有される。
現在、Level2での遂行が欧米で一般的となっており、
ISO19650(BIMの国際標準)で定義されるBIM遂行がLevel2になります
また別機会でISO19650の詳細を説明しますが、
Level2はCDEと呼ばれるクラウド環境を活用したBIM遂行プロセス!!になります
MiChi
まだまだ日本企業の多くはLevel1での遂行が多いよ。日本独自の建設遂行文化的や、新規ツール導入コストの側面から導入に課題が山積みでLevel2になかなかなれないんだ。
まとめ
なんとなくBIMが蔓延している中、今回は国際標準的なBIMを改めて探ってみました。自身の組織のBIMの立ち位置を国際標準と比較してみると良いかもしれませんね。
BIMの概念は固定化されるものではなく、時代と共に常に更新されていくものとの認識は持った方が良いかもしれません。
1. BIMの定義は組織によって異なるが、近年は「プロセス」と定義されることが多い
2. 欧米ではレベル2でのBIM遂行が一般化(ISO19650準拠)
3. レベル2は「クラウド環境を活用したBIM遂行プロセス」を指し示す
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